KTM 3線Oゲージ ED16 レストア記録
東京都 U様 レストア御依頼

2018/3/9 無事、完成しました



今回は、フルレストアで、力が入りましたが、無事、責任を果たせました











後で、カラーライトを取り付けておきます

入手困難なKTMの3線Oゲージ、名作です
大事にして下さい


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製作記録

車輌、取り付け部品が届いています

2017/11/25 車輌が届きました



先般、お見積もりした、EB55が大変程度が良かったので、この車両、
写真を見ずに送って来て頂きましたが、この車両、程度は良くありません

ランボードが2個脱落しています ⇒ 部品は外れた部品を収容した、部品袋有ります

パンタグラフ修正



この傷が致命傷です ⇒ 真鍮板がたくれて、切れています
真鍮生地仕上げは、諦めてください
⇒ 板金、半田盛り、部品自作で乗り切らねばなりません




修理後の半田盛り、研磨修正、板の切れた跡が見えてしまいます
⇒ 生地仕上げに耐えられません




車体裾の簗が切れています
新規に部品を自作して換装しなければ修理は不可能です




軸箱、砂箱が脱落
台枠を全分解再調整、修正再組立てが必要




砂箱が欠品
外れた部品を収容した、部品袋の中には、砂箱1個しかありませんでした
1個足りません、それらしく自作装着するしかありません




軸箱が外れています
不適切な半田修理跡が多数あり、全分解再調整修理が必要です




スイッチのステーが用をなしていません
⇒ ステーを製作し再設置固定しなければなりません




デッキ、修理



デッキの床板がめくれています
梯子が半田外れしています ⇒ 修正、再半田修理が必要




配線が全滅です 被覆が老朽化していて、ショートしていると思われます
全配線をやり直す必要があります


モーターは、オーバーホールしてみないと回るかどうかも判りません
ただ、通常のモーターですから、中古の入手は出来ると思います
ギヤは大丈夫と思います




コレクターの取り付けステーがグラグラです
ステー自体が原型不明です
⇒ やっつけで台車内枠に半田つけしていますが、外れかけています
取り付け箇所の修理が必要です




ヘッドライトへの配線も絶縁被覆が老朽化していて、絶縁不良となっています
配線の交換、電球の交換が必要です




エアーダクトに凹みがあります ⇒ この板金修理は難しく、旨くは修理できません



バラして見た様子です
結論として
レストア出来る最低限の状態ではあります
しかし、レストアするにはお金が掛かります


2018/3/2 上周り修理して完成し、磨きました



真鍮板が薄く、ペコペコなので、上手く、平面が出ませんでした
ランボードを取り付けました









とにかく、丈夫にする為半田を不細工でも、全体に流しました ⇒ しっかりした剛性が出ました



修理した重大な傷、何とか修理しました
塗装を掛ければ、ほぼわからなくなるでしょう


以下、修理した経緯です



窓枠を半田付けしたところです



キサゲを済ませました、このあと車体に取り付けます



車体の下枠を自作しました

Cチャンネルに1.5角の真鍮角棒を補強に半田付けして共用の枠を構成させています
随分、頑丈な下枠になりました

ただ、この車輌の設計寸法がおかしいのです
台車取り付け用のステー、ボルスターの幅がボディー幅より、1mm幅が広いのです

申し訳ありませんが、ごまかすしか無く、取り付けしましたので、
裾が少し幅が広くなってしまいました




パンタグラフのベースを2基とも再半田修理して磨きました
姿勢を修正、上下昇降、下降時フックの掛かりを調整修理しました
O.K 牧場です


明日は、下回りの修理に掛かります

2018/3/4 下廻りが大体出来ました



きれいに洗浄、磨きまして、仮組してみました



デッキがボロボロです
とにかく、前部全部バラして再半田修正しました



手すりがこんな状態なのです ⇒ 一つ一つ、仕上げていくしかあーりませんヨ



こんなに変形している、デッキ裏側も半田付け追加して、丈夫にします



再生完了したデッキです



先台車のステーです ⇒ ナットが半田付けされています
全部バラして再組立、修正します




枕梁もとんでもない、いい加減なビスが半田付けされています
いい加減な仕事を素人さんはしてはいけません




しっかりとした、枕梁に改良しました 
⇒ 真鍮板を作成、半田付けして、M2.0 のタップを切りました




H.O用の台車中心ピンを取り付けるように改造しました
⇒ 集電改良もしてしまいました




M3.0 のワッシャーも追加



台車枠を全部バラして、半田をキサゲて、軸箱、砂箱を半田付けやり直します



このように、軸箱、砂箱が外れ、欠品しています



砂箱一つ、欠品となっていますので、ABS樹脂から、削り出して、自作装着しました



インサイドギヤのイモネジがつぶれていて、外れません 
⇒ キリでイモネジを力づくで除去、再タップしました




スペーサーを2.0mm分挿入
⇒ 何にも入っていないので回すとギヤが外れてしまうのでした




原動側もスペーサーを挿入しました

まぁ、こんなで、素人さんが改良(悪)した車輌を改造しながらのレストアです

多分、前所有者君、改造してみたものの、組み立てられず、
動く事すら出来なかった物と思われます


切り替えスイッチ、コレクターの設置場所を考えなくてはなりません
コレクターの設置場所は、重量が掛かっている場所に設置しないと、
バネ圧で、車輪が浮きます ⇒ 脱線ものですよ


明日は、モーターを載せて、先輪の効き具合、
コレクターの接触、バネ圧の調整を行います


2018/3/5 生地車体完成しました



モーターを載せ替えて、ベンチテストしました ⇒ O.K 牧場
ネジが色々足りませんでしたので、保有のKTM製真鍮ビスで代用しました










重大な傷をおった、妻面です ⇒ まずは、復旧出来たと思います
ハシゴの角度は、余りとりませんでした ⇒ ひっかけて破損しないようにしました



逆転スイッチ、コレクターのステーを自作し、非動力側に設置しました
コレクター、先台車のバネ圧を調整しましたので、大丈夫です
先台車が余り首を振らないので、余りの急カーブはダメのようです
一応、ブレーキシリンダーの留めネジが先輪に干渉しているので、
後で、半田付けにして、削り飛ばします
逆転スイッチは、年代物のベークライト製です
⇒ 分解して、接地を良くする為に磨き、段差を無くすべく削りました




自作した、逆転スイッチ、コレクターのステーです
この後、試着してみて、今一だったので、フレームに全面接地するよう改造しました




ステーがこのように、ピッタリフレームに密着するように加工しました



配線をしてみました ⇒ 通電テスト、回転方向も合わせました ⇒ O.K O.K です



5極モーターですので、低速が効き、6V 1.2A 位で起動します



このように、従台車でも、一番重量のかかる位置にコレクターを設置しました

明日から、塗装に移ります

2018/3/6 塗装に掛からず、お節介いたしました

この車輌、何か車体の高さ、デッキの高さがおかしいのです
まるで、前所有者がレストアしかかって、果たせず、オークションで処分したかのようです
⇒ やっつけで、下廻りの部品を集め、レストアしたような感じなのです


実車の車体幅は、2,810mm ですから、
現車(この模型)の幅、約64mm なので、縮尺、1/43.9 と、言う事になります


車体高、2,060mmですから、模型では、46.9mmになっているはずです
実測、模型は、約47mmですからあっています


車体裾の高さ、1,500mmで、デッキ床高と同一のはずですが合っていませんでした
現車は、デッキがはるか下になっているのでした


実測 現車車体裾高は、約 32.5mm でした
実車から割り出した高さは、1,500 x 1/43.9 = 34.17 ですから、約2mm 低いのです


決定、車高は、ボルスターで、2.0mm かさ上げします
デッキ高は、6.0mm かさ上げします


以下作業内容



カーブ通過性能を上げるため、枕梁を留める穴を長穴にして台車間距離を稼ぎました



先台車の先輪が干渉するブレーキシリンダーの留めネジを半田付けしました
この後、削り飛ばします




きれいに削り飛ばしました
⇒ 些細な改造ですが、精一杯の性能は引きずり出しました




イコライザーを半田付けして固定しました
⇒ 実はこのイコライザー、取り付けられていなかったのです




せっかく組み上げたデッキの半田をバラして、
1.5角の真鍮角棒でデッキ脚を自作装着しました
これで、6.0mm のかさ上げをします




改造、再組立出来た、デッキです 
⇒ どこのメーカーのED16も大体こんな風な感じで、デッキ下がスケています


実は、このKTMのOゲージ車輌もこんな設定では無かったのでしょうか ??
やっつけのレストアが為されていたのでは、、、、と、疑っています



真鍮板から、2.0mm のボルスターを自作



台車にボルスターを取り付けて見ました 
⇒ 後で、車体がクラクラ傾かないようにこのボルスターの両脇に
2.0t の真鍮板を追加半田付けしました




施主さんのご了承を得まして、逆転スイッチを交換しました



取り付けのネジ穴ピッチが違っていたので、スイッチ側の取り付け穴を長穴にしました



これで、ピッタリデッキ高が車体裾高に合わせる事が出来ました
2台目の製作車輌となり、

施主様のお人柄が伝わって来だしましたので、お節介をいたしました



これで、KTM 3線Oゲージとしても、鉄道模型の領域に入りました
姿勢もバランスが取れたと思います
ディテールを追加しても見栄えがするでしょう


明日から、車体をバラして塗装に掛かります

2018/3/8 塗装が出来ました



塗装色は、ぶどう色1号としました ⇒ 少し、紫を増して、明るくしておきました
トップコートは、艶有り、二回吹きました











この面が、断裂傷が有った妻面です ⇒ まぁ、肉眼では気がつかないでしょう



主台枠、奇麗に修復しました



先台車 黒塗装



インサイドギヤ、黒染めにしました



車輪を奇麗に磨きあげました



パンタグラフ、バネが一本ずつしかありませんが、支障はありません 完璧です



カプラーと、ウェイトです



この5極モーターに載せ替えました

明日は、組み立てに掛かります